ビル業界トピックス

企業が自社の廃棄物をオフィス什器として再利用。3Dプリンターにより素材からオーダーメイドでプロダクトを作るプロジェクト

アビリティデザインカンパニー” 株式会社NOD(本社:東京都渋⾕区 / 代表取締役:溝端友輔・沼⽥裕輝)は、循環型社会の実現への取り組み『RECAPTURE』の一環として、企業の廃棄物を素材として再利用し、3Dプリンターによってオーダーメイドのプロダクトを作るプロジェクトを開始する。

第1弾として、鹿島建設株式会社や株式会社 明治との協業を発表した。

取り組みの背景

「SDGs目標12.つかう責任・つくる責任」と掲げられているように、廃棄物の排出量を大幅に削減することが求められている。

株式会社NODは、2021年から廃棄物やバイオマス素材を使用し、循環型経済を目指すプロジェクト「RECPATURE」を推進し、3Dプリンターを用いた、卵の殻や酢酸セルロースなどを素材とした什器の製造を行ってきた。

これまでは、素材の調達先と製品の使用先の企業が別々だったが、今回、自社から出た廃棄物を自社で使う什器として再利用するプロジェクトを開始する。

第一弾は、鹿島建設株式会社と株式会社 明治と協業するとのこと。

製造したプロダクト

鹿島のオフィスのカフェスペースから出たコーヒーかすを使ったテーブル

ヨコハマSDGsデザインセンターが入居する横濱ゲートタワーのまちびらきイベントにて鹿島のDXのSDGsの取り組みとして展示。(https://yokohama-gatetower.com/

明治がチョコレートを製造する過程で排出するカカオハスク(※)を使った什器

(※)カカオハスクとは、チョコレートを作る際に捨てられるカカオ豆の外皮です

プロジェクトチーム

企画、開発支援、製造マネジメント、フロー設計 : 株式会社NOD

3Dプリント製造/設計支援 : 株式会社Boolean

プロダクトデザイン:sekisai design fabrication studio

素材提供:株式会社ネクアス、住化ポリカーボネート株式会社、古河電工株式会社

協業パートナーからのコメント

鹿島建設株式会社

鹿島建設株式会社 開発事業本部 松永和幸氏https://www.kajima.co.jp/

今回の取り組みは、身の回りの小さな行動を積み重ね、SDGs達成やサーキュラーエコノミー実現に貢献したいという、社員のコーヒーブレイク中の雑談から、CCCE※というコミュニティを結成したことがきっかけとなりました。CCCEは、今回の活動を、自らの利用により発生した廃棄物を、資源として再定義し、考え、つくる行為を通して環境改善に貢献する利用者参加型のものづくりと考えており、このプロセスに新しい価値があると考えています。今後もNODさんとの協業により、様々な廃棄物の循環の可能性を検討し、資源循環を通じて持続可能な社会の実現に貢献したいと考えています。

※CCCE : Caffe, Chat, Circular Economyの頭文字です。

株式会社 明治

株式会社 明治 マーケティング本部 カカオマーケティング部 カカオG 専任課長 木原 純氏https://www.meiji.co.jp/

カカオ豆の主要産地の西アフリカでは、焼き畑や農地拡大に起因する森林減少や、労働力不足による児童労働、栽培技術の周知不足など、バリューチェーンに存在する様々な社会課題のために、貧困から抜け出せずにいます。

現在、チョコレート原料として活用しているのは、フルーツであるカカオ全体のおよそ1割、すなわちカカオの種である「カカオ豆」です。そしてカカオハスクと呼ばれる皮は、加工段階で取り除かれ、有効活用されることなく飼料・肥料・燃料などに結果として使用されています。今回、カカオハスクアップサイクルによるカカオに関する様々な社会課題解決を目指し、NODさまと協業させていただきました。誰一人取り残さない。何一つ無駄にしない。フルーツである、カカオには、可能性が沢山詰まっています。カカオの可能性をパートナー一緒に1つ1つ丁寧にひらいていきたいと、私たちは考えています。

協業パートナー募集

株式会社NODは協業パートナーも募集している。問い合わせは下記まで。

info@nod.jp.net
株式会社NOD 溝端

RECAPTUREについて

『RECAPTURE』では、酢酸セルロースをはじめとした⽣分解性バイオマス素材や有機廃棄物などを3Dプリンターによって加⼯・再利⽤し、 循環型の都市づくりを⽬指している。

これまでの都市空間を構成する要素の多くは、使い終わった後、廃棄や取り壊しをするのが一般的だった。『RECAPTURE』が目指すのは、再利用可能な素材を柔軟なデザインが可能な3Dプリンターを活用し加工することで、作り手がクリエイティビティを発揮しつつ、素材の面から環境負荷の低い都市を作ること。

「RECAPTURE」は「捉え直す」という意味を持っている。⼈間と⾃然の関係、素材の持つ可能性、都市のあり⽅ など、様々なものを捉え直すことを通じて、未来を創造するという思いを込めて名付けたという。

株式会社NODについて

NODは、2019年に創業した「人の可能性を最大化し、より良い社会を作る」ことをビジョンに掲げた“アビリティデザインカンパニー”。新規事業開発、ブランディング、空間デザインを主軸事業としている。

これまでも、日本橋にある二年間限定のビルを若者向けにリブランディングした「GROWND nihonbashi」(クライアント:三井不動産株式会社)、スープダイニングというホテル朝食の新しい形を提案した飲食ブランド「NOUMU」(クライアント:UDS株式会社)、サウナ×自動運転で、新しい移動空間のあり方を考える「Hoppin’Sauna」(クライアント:KDDI research atelier)などのプロジェクトに実績がある。

また、バイオマス素材や有機廃棄物を3Dプリンターによって加工・再利用し、循環型経済づくりを目指す「RECAPTURE」プロジェクトを推進している。これまでも植物性プラスチック 酢酸セルロースや卵の殻、コーヒーかすを素材として用いた大型家具を製造してきた。

今後も人の可能性を最大化するため、さまざまな領域のデザインに取り組んでいきたいとのこと。

会社概要

代表取締役:溝端 友輔・沼田 裕輝
オフィス:東京都渋谷区神宮前6-35-3
設立:2019年12月
事業内容:新規事業開発、ブランディング、空間デザイン
コーポレートサイト:https://nod.jp.net/
過去のプレスリリース:https://prtimes.jp/main/html/searchrlp/company_id/52595

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