ビル業界トピックス

資金調達多様化を模索 CFで1億円募集完了

融資姿勢に柔軟対応

 アズ企画設計(東京都千代田区、以下、アズ企画)が資金調達手段の多様化を進めている。6月、融資型クラウドファンディングプラットフォーム「Bankers」で不動産を担保にしたファンドへの出資を募集。募集総額1億円に対して約4・3億円の応募があった。今後の更なる活用に向けて手応えを得た格好だ。

 アズ企画は5月20日に東京都世田谷区の物件を販売用不動産として取得している。金融機関からの借入金額は物件取得価額の8割ほど。以前はフルローンが当然だった。が、ここにきて融資姿勢に微妙な変化が出てきている。

 同社は従来、サラリーマン投資家向けの物件販売を得意としてきた。物件価格は平均1~2億円。金融機関の融資も積極的で物件価格にリノベーション費用なども上乗せして貸し出すケースもあった。その状況が一変したのは、かぼちゃの馬車など一連のサラリーマン投資家向け融資審査での不祥事問題。この問題後に金融機関のサラリーマン投資家層に向けた融資姿勢が厳格化。その影響を受けて、2019年2月期の不動産販売事業の業績は落ち込んだ。専務取締役管理部長の小尾誠氏は「販売用不動産の取得時の融資姿勢も厳しくなりましたが、それ以上にサラリーマン投資家自身の購入ローンにも厳しい引き締めがありました」と振り返る。これを機にビジネスモデルを見直し富裕層向けの高価格帯物件の販売へシフトしていく。

 現在注力するのが平均4~5億円ほどの物件販売。購入層は富裕層の個人から事業法人。この層への融資環境は引き続き旺盛。販売実績も順当に積み重ねている。

 一方で懸案があった。「物件取得への融資が引き続き8割程度となるなかで、豊富な在庫を確保していくためには金融機関以外の資金調達環境を整備することが必要でした」(小尾氏)。

多数の投資家が出資 金利も想定範囲内に


 そこで注目したのが、融資型クラウドファンディングだった。
 ファンドの名称は「不動産開発事業支援ファンド第1号」。6月14日12時から募集を開始。約30分で募集金額には到達し、締め切りの翌15日23時59分までに4億円超の申し込みを得た。予定利回りは2%。運用期間は7月上旬から23年2月下旬までの約8カ月間を予定する。

 小尾氏は「ファンドへの期待感はもちろんですが、投資家のクラウドファンディングでの投資意欲を感じた」と話す。金利は約3%とみられる。借入全体の8割にあたる、金融機関からが1%以下。販売想定期間において均しても1%以下。「想定の範囲内」だ。

 今後も融資型クラウドファンディングの活用を資金調達手段のひとつとしてラインアップしていく。状況の変化に対応できる体制を整えていくことで、旺盛な不動産投資需要に応える商品メニューを揃える方針だ。

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