対談Vol.3

a Talk and The person We respect

共立工業株式会社
工事部長
金子 春樹
株式会社トラスト・ファイブ
取締役
企画開発事業部 部長
吉岡 崇

【遵法性】平時はもちろんですが、いざとなったときに最後に頑張ってくれる職人さんをどう大事にするか。
最終的には、一番重要かなと思います。

対談3回目はゼネコン、共立工業株式会社の工事部長 金子春樹さん。
ファザーランド浅草はトラスト・ファイブにとって初めてとなるホステル。苦労続きの現場で、どんな話がされてきたのでしょうか。(対談2回目の棚橋さんも同席)

共立工業株式会社 工事部長 金子春樹様
共立工業株式会社
工事部長
金子 春樹Haruki Kaneko

一級建築士

1987年、共立工業株式会社入社。
長年、現場監督として多くの施設、ビルを手掛ける。
経験と人柄が、良い建物を造る見本のような方。

株式会社トラスト・ファイブ 取締役 企画開発事業部 部長 吉岡崇
株式会社トラスト・ファイブ
取締役
企画開発事業部 部長
吉岡 崇Takashi Yoshioka

宅地建物取引士

三井農林、三井物産ハウステクノで注文住宅に携わる。その後、船井財産コンサルタンツ(現社青山財産ネットワークス)、資産科学研究所での財務・財産コンサルタントを経て、2015年トラスト・ファイブに入社。企画開発事業部を立ち上げる。

Session 1 コア抜きといってコンクリートに穴をあけていく方法にしました。
お金がかかるが、近隣に一番振動が少ない。

  • 吉岡 吉岡

    今回は前回の続きで、共立工業の金子工事部長にもいらしていただきました。
    ファザーランド浅草(ホステル新築工事)は大変でした。ありがとうございました。

  • 金子 金子

    ファザーランド浅草は、土地を見た段階で大変でした。隣とくっついていました。(笑)

  • 吉岡 吉岡

    そうでしたね。
    解体建物がまわり近所とつながっていました。隣のホテルのいろいろな交渉から始まり、配管が越境していて、それをどうするか大変だった。
    反対側の住宅に対しては屋根と取壊し家屋がくっついていたので、切り離して壊して直してあげなければいけないという作業がありました。

  • 金子 金子

    解体業者の方で地中杭は工事が始まってからやってくれないかという話しがあったんです。でも、お隣が木造なので、できるだけ振動がないようにしなければならないということで、コア抜きといってコンクリートに穴をあけていく方法にしました。それはそれでお金がかかるが、一番振動が少ない。

  • 吉岡 吉岡

    設計士さんと共立工業さんが打合せをされる時は、既存家屋がのっている状態の土地だと、最初は最悪を想定する。こういう杭が埋まっているだろうとか、いつも最悪の提案をしてくれるので、助かってます。最後はこんな風になってよかったね、となる。(笑)

  • 金子 金子

    解体業者との打合せにおいても、色んな方法から一番の方法を提案してくれました。

  • 吉岡 吉岡

    安全の裏付けが取れず、敷地のギリギリまで建てられない。そうすると出来上がった物に対しての価値が減る、容積を喰いきれないとか敷地を使いきれないとか、そういう会社もある。
    トラスト・ファイブが買っているのは、渋谷とか都心の(地価の)高い土地なので、そこを敷地いっぱいまで建てられないと僕らにとっては失敗なんですね。作る側からすると空きがあった方がやり易いかもしれませんが。

  • 金子 金子

    (ホステルの施工という点での話ですが、)実はお風呂とかサウナとか作ったのは久しぶりでした。
    特に、お風呂の防水については設計の先生とも何度も話しあってやりました。狭い広いよりも工期が現場監督としては一番気になる。とにかく、あの狭い中でよくやってくれたと思います。

Session 2 新しい土地で、隣の方にお願いに行くと「またあなた達だったの。良かった」と。
共立工業さんの評判だった。(笑)

  • 吉岡 吉岡

    近隣に関しては、共立工業さんの評判が非常に良いです。
    新しく買ったファザーランド渋谷Ⅱのコンクリートを壊すのに、隣に杭を打ち込まないといけなかったんですが、それには、隣の敷地を貸してもらわなければならなかったんです。我々が(隣の方に)お願いに行くと「またあなた達だったの。良かった」という話しになったが、それは共立工業さんの評判だった。(笑)
    警備員さんも褒められていたし、「きちっとやっていてくれているので、安心だね」と言われました。

  • 金子 金子

    少し話は変わりますが、浅草の2現場目のファザーランド浅草Ⅱ(ホテル・ホステル複合)では「商業地」でない大変さがありましたね。

    ファザーランド浅草、ファザーランド浅草Ⅱ、ファザーランド渋谷もトラスト・ファイブさんが中継ぎ役になっていて、テナントの代わりに内装を受注し、ウチ(共立工業)が受けさせてもらっています。他のデベロッパーでここをやっているところはあまりないと思います。
    施工的な課題はあまりありませんでしたが、"物"を入れる大変さがありました。

  • 吉岡 吉岡

    普通は作っていただいたスケルトンの状態から違う業者が入ってやっていくところを、共立工業さんに一気通貫でやっていただいていますからね。
    思ったより早期に売却の契約ができたのは、そこを共立さんに受けていただいたお陰です。

  • 金子 金子

    (最初から作るのとスケルトンから作るのでは工事で何が違うのかというと)
    敷地が目一杯なので物が置けないという苦労がありました。上の階の工事をする際に1階に物を置きたい。内装工事が無ければ、出来上がったところを物置場にして上を作っていけばよいが、内装までやってしまうと、資材の置場が無い。

Session 3 普通のビルを改良したホステルだと"高さ"が決まっているから入らない。
今回は最初から採寸して作っているので、収まりが抜群です。

  • 吉岡 吉岡

    出来上がりの評判ですが、(リノベを)知っている人が見に行くと「精度が全然違う!」と絶賛されています。

  • 金子 金子

    普通のビルであれば梁があって、それを改良したホステルだと"高さ"が決まっているから入らない。今回はそれを最初から採寸して作らせてもらってますから、収まりが抜群なわけです。お風呂作ったり、戻りの不自然さがなかったり、後付けのものとは精度が全然違う。無駄なスペースが無い。

    設計監理側(アーキフォルム社)との相性も良かったと思います。
    このタイミングで決まってないと工事が遅れてしまうというのも肌感覚で分かってらっしゃるので、間に立たれて大変だったと思う。アーキフォルムさんは経験値が違う!と感じました。

  • 棚橋 棚橋

    今は土地を購入されるタイミングからお話しをいただいていることが大きい。「図面ができました、ここから検討してね」、では間に合わない。以前は、鉄骨の発注が3か月前だったのが、今は6~7ヶ月前になっている。確認図面が降りました、ここからスタートじゃ全然間に合わないですね。前もって検証し、鉄骨業者に発注を出すということで対応しているので、施工スケジュールの前倒しができている。

  • 吉岡 吉岡

    もし、工期がブレたときはどうされますか。(笑)

  • 棚橋 棚橋

    ブレる内容はたぶんどうしようもないことですが、その時はご相談させていただくしかない。
    ファザーランド浅草でいうと、杭がどうしようもない状況にあった。3月まで杭が打てなかった。その時は、本当に辛かった。ファザーランド浅草Ⅱも万全を期してやったが、前の現場で機械が壊れてしまって、2週間半遅れた。万全を期したつもりでもどうしようもないことが起きる。そういったときはご相談させていただくしかないです。

  • 金子 金子

    平時も大切ですが、いざとなったときに最後に頑張ってくれる職人さんをどう大事にするか、重要かなと思います。

  • 吉岡 吉岡

    先日ちょっとしたことがあり、(御社・共立工業さんの)社長さんにお会いさせていただいて対応策を相談させていただきました。その時に社長が仰っていたのは、「現場を止めると職人さんが一番心配、そういうことになると人は離れていく」と。
    職人さんのことを最初に考えておられました。「現場を止めるっていうことはね」って仰っておられました。

  • 棚橋 棚橋

    私どもにとって前もって仕事が決まっているということが、すごくメリットがあります。
    先ほどの(当社の)社長が職人を大切にしているという話しと被りますが、業者さんに対していついつまでにこういう仕事があるよって前もって言ってあげられるってことが、我々にとって、大変ありがたいことです。
    そのために頑張れることは頑張るしかない。正直色々苦労はありますが、前もって工事の予定が立てられることが会社にとって大変ありがたい。

  • 吉岡 吉岡

    最近検討した物件、入札で取れませんでしたその物件は、屋根もくっついてるし、隣もくっついてるし、他に見に来ていた人達はみなサジを投げていたようでしたが、ウチのメンバーだけは「ぜひやりましょう!」と言ってくれた。とてもうれしかったですね。
    われわれの使命というか、例えば50年以上経っていてもし、火災になったらどうにもならないようなものを、あと100年使えるように建て換えていかなければならないことがミッションだと考えている。今苦労しようが、そうしなければならない。それを一緒にやっていることが楽しいですね。
    今日はお忙しい中、いい話を聞けてよかったです。

※対談の内容は、2019年3月のものです