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日本管財ホールディングス 業務効率化に独自生成AIを開発 機能拡張し管理現場での活用にも期待

 日本管財ホールディングス(東京都中央区)は昨年6月、日本マイクロソフト(以下、マイクロソフト)が提供するAzure OpenAI ServiceとMicrosoft Power Platformを活用した、独自の対話型AI「NK-AIbot Powered by GPT-3・5」を開発。同社ならびにグループ会社のバックオフィス業務の効率化につなげている。

 「NK-AIbot Powered by GPT-3・5」は、チャット形式によって自然な会話を可能とした生成AIシステム。今回、マイクロソフトの技術者と連携し、クラウド上に日本管財グループ専用の環境を構築。質問への回答や文章の作成、テキストの要約、表計算ソフトの関数記述、簡単なプログラムコードの記述に対応できる。

 ChatGPTをはじめとする生成AIは、業務効率化の観点からあらゆる業界に取り入れられ始めた。不動産業界では、仲介業務や管理業務における人手不足の対策につながるとの見方が強い。

 ITソリューション室部長代理の和久康史氏は「『専門用語やソフトの使い方エクセルデータの検索』、『メールや議事録などの文章の校正』、『営業戦略や社員研修の案出し』、『簡単なプログラミングデータの作成依頼』の4つが主な利用用途です。グループ企業を含め、全社員がGPTエンジンの使い方に慣れてもらうことを導入の狙いとしています。質問マニュアルの配布、使い方の事例紹介を通し、社員も徐々に使いこなせるようになっている状況です」と話す。

 バックオフィスでの活用が促進され、「NK-AIbot Powered by GPT-3・5」の導入から5カ月時点で3万回の利用を確認。11月にはGPT4エンジンを搭載した「NK-AIbot-D1 Powered by GPT-4」をリリースした。このアップデートにより、多くの社内規定や業務マニュアル、提案書といった、会社独自のデータを活用できるよう機能を拡張し、現場での実務的な活用が期待される。

 ITソリューション室 課長の杉山良一氏は「機能拡張により、過去の作業報告書を蓄積し、必要な場面で抽出することが可能です。これまでケースバイケースで対応していた、管理現場の効率化を実現できます。現在は管理部門や営業部門など、各部門に特化したデータを集めている段階です。若手社員がベテランのノウハウをいつでも使えることで、スキルの向上と業務効率の改善につながると考えています」とした。

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