ビル業界トピックス

estie オフィス運営・売買のデータ提供サービス 不動産のデータ分析フォーマットを基に提供

 estie(東京都港区、エスティ)は、事業用不動産のデータ分析基盤「estie マーケット調査」を提供している。2023年10月からは不動産売買領域にも進出。同サービスの実績を生かして「estie 物件売買」を開始した。

 「estie マーケット調査」は、ビルオーナー・ビル管理会社・仲介会社・ファンドなどが、オフィス運営・売買を行うために必要なデータの検索・分析ができるサービス。20年7月から提供開始。当時のサービス名は「estie pro」。23年5月にサービス強化を図ると共に、名称やロゴマークも変更した。特徴は任意エリアのオフィスマーケット情報や賃料設定に必要な情報の全てを手軽に収集できること。自社物件の適正な賃料算出、同データを生かしての資産価値向上対策もできる。提供している項目は、全国約8万棟の「建物情報」。日次で更新される約500万坪の「空室情報」。約24万件の「賃料情報」。過去3年間の募集賃料と推定賃料水準をまとめた「時系列賃料水準」など。他にも異なる情報・データを提供している。

 同社ではこの基幹サービス「estie マーケット調査」をベースに、新たに「estie 物件売買」を開発した。「estie 物件売買」は、建物基礎情報や募集床情報、所有者情報・所有者移転情報など、物件売買業務に必要な情報を統合・整備した案件創出データ基盤サービス。売買時のソーシング業務(取得)をDXにより、圧倒的に効率化。売買仲介会社、収益不動産再生・コンサルティング事業者、不動産デベロッパー、機関投資家などの戦略的な不動産取引業務を全面的にサポートできる。またオフィス等の商業用不動産だけでなく、住宅物件に関わる不動産データの取り扱いも可能となった。

 マーケットリサーチ事業本部 事業責任者の齋藤文也氏は「これまでの売買業務では、売主・買主の双方で取引に関する情報収集がとても困難でした。特に情報収集やデータ管理は属人的で、企業は負担となるケースが多く、年に1、2棟の物件取得・売却を少ない体制で行っている企業にはより効果的に働くでしょう。また過去取得を検討した物件の情報把握(取得を辞めた理由も含めて)、検討した物件と現在取得を検討している物件との比較、売買会社であればこれまでにコンタクトしたことのない企業へのアプローチも実現します」と活用シーンなども語った。

 「estie 物件売買」の利用企業は、大半が「estie マーケット調査」も利用している。「estie マーケット調査」は大手デベロッパーを中心に、金融系(信託銀行)やAM・PM会社、リートなど。物件売買ではファンドや金融系のAM会社の割合が高くなり、買取再販会社からの反響も多い。齋藤氏は「稼働率が下がっている物件・保有期間が短期の所有者が保有している物件など、今後取引が発生する見込みの高い物件を特定し能動的なアプローチが可能です。また直近の取引事例をもとにエリアや競合の分析、自社の取得・売却方針の積極的な展開を計画している企業にも最適と思います」と語った。

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