LOOPLACE(東京都千代田区)は今月、「gran+(グランプラス)AKIHABARAⅡ」を完成した。
「gran+」は同社が手掛ける収益不動産シリーズ。築年数の経過したビルの改修計画、工事、デザインまで一貫して自社で行い、セットアップオフィスなどの付加価値を創出しながら再生していく。
「gran+AKIHABARAⅡ」は電気機器販売業者が自社利用していた築35年のビルを今年8月にLOOPLACEが取得。3カ月かけてフルリノベーションした物件となる。延床面積288・87㎡、敷地面積66・110㎡、地下1階付地上5階建て。東京メトロ「末広町」駅徒歩4分、JR「御茶ノ水」駅徒歩9分、「秋葉原」駅徒歩11分、中小オフィスビルが並ぶ蔵前橋通りからすぐの場所にある。
IT産業の拠点として注目される(※東京構想2000)秋葉原の特性を生かし、スタートアップや若い企業をターゲットに据えた。Re;place事業部 ソリューションGr.の佐野権人氏は「今回は1棟貸しでなく、1階をサービス店舗可、2~5階にはそれぞれ別のオフィスが入る区画としてリーシングしています。スタートアップ企業の規模や資金力を考えると、フロア毎に貸した方が効果的だと判断しました」と話す。
改修にあたり、各フロアに設置されていたトイレは間取りを変えずに丸ごとリニューアル。階段やエレベーターは保存状態が良かったことから、造作はそのままにクロス等を張り替えている。エントランスは片方の壁面タイルをはつったままの状態をデザインとして取り込み、もう片方を塗装しなおしたことで、コントラストを楽しめる空間に仕上げた。
1階は28・52㎡、5階が26・98㎡、2~4階は44・24㎡。定員は5階が4~6人、2~4階は8人程と小規模となる。1階のみスケルトン、2階~5階はデスクやチェア、ハンガーラックなどを設えたセットアップオフィス。自然を感じさせる素材と配色による、シンプルな空間が特徴だ。
「gran+」の新しい試みとして、地下1階には共用の会議室を開設。利用料は共益費に込み。室内には液晶モニターとWi-Fiを整備し、秘匿性の高い商談や来客等のニーズにも応えられる。
「『gran+AKIHABARAⅡ』では、普通のオフィスとシェアオフィスの間のような空間を目指しました。共用の会議室をつくったことで専有部をゆとりをもって利用できるようになり、リーシングの際に優位に働くことが期待されます。秋葉原は自由な社風の会社に好まれやすいエリアで、当物件との親和性も高いとみています」(佐野氏)。
テナントは今月から募集を開始。来月15日~17日に内覧会を開催する。