ビル業界トピックス

IoTと連動したセキュリティシステム 特許技術の最新鋭センサーで低コスト・効率的

 Secual(セキュアル、東京都渋谷区)は2020年より、IoTセキュリティシステム「Secual Home」を提供している。

 Secualは2015年に設立。戸建て住宅や一人暮らし世帯を対象とした窓やドアの防犯システムの開発から始まっている。より身近に使いやすい防犯サービスの提供に注力し、現在は賃貸・分譲マンションから戸建てまで、全国のあらゆる物件で導入されている。

 代表取締役CEOの菊池正和氏は「家庭向けセキュリティと言えば、駆け付け型の警備サービスが一般的でした。一方で、こういったサービスは契約料が高く、女性や高齢者といった本当に防犯対策が必要な方々が手を出せないことについて疑問を持っていました。その矢先にIoTサービスが普及。IoTとセキュリティと連携させることで、より身近に防犯対策ができないかと考えたことが始まりです」と話す。

 「Secual Home」は窓やドアに設置した開閉センサー・人感センサーとWi―Fiゲートウェイを連動させることで異常を検知、直ちにスマートフォンに知らせる仕組みとなる。ゲートウェイはセンサーから異常を受け取ると同時に、アラートを発動。自動的に侵入者に対する威嚇も行う。異常をすばやく通知し、侵入者を早期発見。住人との鉢合わせによる二次被害が起きないように対策ができる。

 「窓の振動で反応するセンサー機能の特許技術を取っています。ゲートウェイ1台につき、10台のセンサーと連動が可能です。スマートフォンには専用アプリに異常を知らせるのですが、利用者数に制限がないため、ご家族で共有していただくこともできます」(菊池氏)

 住人の在宅時にも外部から侵入を検知する「在宅モード」や、「誰が、いつ、なんの操作をした」が一目瞭然となるセンサー履歴、窓や戸の開けっ放しを知らせる開閉アラートといった便利な機能も付帯。一定時間動きがないことを異常とみなしアプリに通知する「見守りモード」により、離れた家族の見守り機能としても活用できる。契約料金は初期費用が約1万円~、月額1078円(税込)とリーズナブルだ。

 不審者の侵入経路は「ドア」か「窓」が大半とのデータもある。これら侵入経路の安全性をカバーできる「Secual Home」は、価格の安さ、そして業務効率との親和性が高いIoTシステムを活用している点が支持され、ユーザー数は約1万人。近年は大手デベロッパーによる新築分譲マンションにも導入。タウンマネジメントの一環とした防犯IoTサービスの拡充も図っている。

 「新築のお引き合いも多いですが、既存のアパート物件からも問い合わせが増えています。サービスが低価格のため、大きな費用をかけずに物件の付加価値につながります。『Secual Home』は入退去のオペレーションが自動化されていることもポイント。入居後すぐに使うことができて、退去と同時に使えなくなるというわかりやすさが、支持されている理由の一つです。現在は住宅物件がメインですが、これからは店舗向けにも訴求していきたい。スマートロックや監視カメラと連動することで、より万全な防犯対策につながると考えています」

 昨今、被害が相次ぐ強盗や空き巣。その手口も多様化し、ビルや住宅物件の防犯システムの見直しは急務だ。

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