ビル業界トピックス

今年春から販売開始のスマートロック「OPELOⅡ」

確実完全なハンズフリー解錠実現 ワンタイムパスにも対応

 電気機械器具の製造販売および工事等を手掛ける大崎電気工業(東京都品川区)は、2016年から賃貸住居用のスマートロック「OPELO(オペロ)」を販売。今年春には機能性が更に高まった「OPELO2.」の販売を始める。

 OPELOは、既存ドアシリンダーと一体化する構造(特許取得済み)で取り付け可能なスマートロック。パスワードやICカード、スマートフォン等から解錠方法を選択でき、即時連携での瞬間解錠を実現した。ネットワークアクセスや取り付け時に電気工事の必要なく、普段電気の通っていない空室でも使用可能。また両面テープで貼り付ける製品と違い、経年劣化等での落下リスクもない。24時間365日対応可能なコールセンターも用意するなど、安心安全のサポート体制も強みだ。昨年4月にオフィスビルや商業施設向けの「OPELO commons」を提供開始。既存の入退室管理システムに課題を感じている企業ユーザーの支持を得て、導入実績も伸ばしてきた。

 新たに販売する「OPELO2.」は、UWB(超広帯域無線通信)を用いて認証・解錠する方式を採用。他社製のスマートロックはBluetooth対応の製品が多かったが、セキュリティやペアリング、設置環境等に起因する解錠の不安定性などが見られた。これらストレスの生じる可能性を排除し、要因となっているインターネット・GPS・Bluetooth等の通信技術を一切使用しない解錠方法を選択。一定距離の範囲内に侵入すると、スマートフォンを所持しているだけでアプリ操作や解錠操作をすることなく解錠できる。確実・完全なるハンズフリーでの解錠が実現した。もし室内のドア近くにスマートフォンがあったとしても、不用意な解錠にはならない。同技術について現在特許出願中。

 また後付け設置の手軽さと落下防止も強み。ドア加工なし・両面テープ不要で、様々な鍵ケースに完全固定を実現。設置における手間を極力削減し、短時間での設置を可能とした。同製品はビス2本でシリンダーを挟み込み、開閉センサーも排除。設置台数の多い集合住宅に適している。更に今まで対応できなかったプッシュプルハンドルや引戸にも対応したリリースを予定。特殊な鍵ケースにもオプション活用で設置が可能になった。

 営業本部 共創デザイン推進室スマートソリューション部長の土屋武史氏は「独自のアプリでワンタイムパスワードが発行できます。これにより簡単に解錠権限のシェアが可能です。日時・時間を指定し、LINE等で特定の人に共有。不動産管理会社の社員は足を運ばずに、物件の内見者にだけ権限を渡すことができます。パスワードは使い捨てで、複数回・同時使用も可能です」と語った。パスワードはオフラインで発行。セキュリティの観点でネット環境が使用できない行政機関などでの設置にも対応できる。

 今後同社では設置件数・台数を増やしながら、パートナー企業との連携も広げることで、一般層や賃貸以外の住宅向けにも販売していく姿勢だ。OPELO2.を使用することで物理鍵を管理する手間を省き、利便性やセキュリティも高められる用途は幅広くある。管理者とユーザーの双方に適したスマートロックとなった。

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