ビル業界トピックス

三井不動産が国内最大の木造ビル着工 地上18階・内装や専有部にも積極的に木材を使用

 三井不動産(東京都中央区)は4日、国内最大・最高層の木造賃貸オフィスビルを着工した。設計施工は竹中工務店(大阪市中央区)。竣工は2026年9月の予定。

 計画地は東京都中央区日本橋本町。建物は敷地面積約2500㎡、延床面積約2万8000㎡、地上18階。竹中工務店が開発した耐火木造技術を導入し、主要な構造部材、内装、専有部などにも木材を使用する。

 一部フロアには都心型賃貸ラボ&オフィス「三井リンクラボ」の整備を予定。ライフサイエンス分野の企業を中心とした研究環境を整備する。

 敷地内には約480㎡の緑地を整備。屋上には有機質肥料を用いた水耕栽培システムと、室外機芋緑化システムも導入予定。有機質肥料を用いた屋上水耕栽培システムの整備は国内のオフィスビルでは初。室外機芋緑化システムは室外機の周りで栽培した芋の葉の蒸散作用と日陰により周辺の温度を下げることで、消費電力の低減を図る仕組み。三井不動産グループで初めての導入となる。

 環境配慮として、フィルム型ペロブスカイト太陽電池、大気中のCO2を吸収する国内初の自動販売機の設置等の取り組みに加え、省エネ・創エネ技術の導入等の施策も行う。これらにより、ZEB Ready認証、DBJ Green Building認証(プラン認証)、CASBEE評価認証|建築(新築)Sランク、いきもの共生事業所認(ABINC認証)の取得を目指す。

 三井不動産グループでは、地球環境保全活動の一環として北海道に約5000haの森林を保有する。今回もグループ保有林の約100㎥を含む、1100㎥超の国産材を構造材として使用。仕上げ材・内装としても積極的に活用するとしている。国内最大級の木造ビル開発を通じ、森林資源と地域経済の持続可能な好循環への貢献を目指すかまえ。

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