ビル業界トピックス

トラスト・ファイブ 「(仮称)コレタス代官山」8月末に完成予定

アパレル・デザイン集積地にスモールサイズのオフィス店舗複合ビル

 トラスト・ファイブ(東京都千代田区)が、渋谷区代官山町でスモールビル開発計画「(仮称)コレタス代官山」の開発を進めている。先月18日に上棟を迎え、完成は今年8月末を予定している。

スモールビルブランド 30坪からの狭小地対応

 「(仮称)コレタス代官山」は、JR「渋谷」駅及び東急東横線「代官山」駅から徒歩7分に立地。スモールサイズのオフィス・店舗の複合ビル。地上7階建てで、延床面積は329・56㎡(約99・7坪)。基準階面積は約39~42㎡(約13~14坪)。展開しているスモールビルブランド「コレタス」は、2021年11月から供給開始。30坪からの狭小地で、人が多く集まり賑わう「繁華性」のある場所を対象としている。ビジネスと商業の双方に適した土地に、利便性・集客性・防災対応力に優れた物件を建設してきた。主な入居テナントは、中小企業やベンチャー・スタートアップ、小回りの良さを求めるイノベーティブな大企業など。新築であることも生かし、環境負荷を考慮したサステナブルなビルに仕上げてきた。

 「(仮称)コレタス代官山」は、シリーズの中でも更にコンパクトなサイズ。強みは、新築で大きくないこと。背景には、小規模オフィスの新築ビルが少ないことが挙げられる。従前から新築ニーズはあるが、受け皿となる物件は限られていた点に着目。妥協して多少大きめの既存ビルに入居するのではなく、小ぶりでありながらデザイン性や機能面に優れたビルに仕上げることで、ニーズに対応。彼らが入居したくなる「テナントファースト」を信条に開発した。

 ビル開発事業部の川俣雅明部長は「代官山は、アパレルやデザイン産業の集積地です。渋谷にも隣接するため、IT系や映像制作会社の需要もあります。美容関連等のニーズもあるでしょう。これら所謂『感度の高い企業』にとっては、特徴的なデザインや意匠性に優れ、かつ小規模ビルでバルコニーの有るオフィスは魅力的に感じると思われます。投資家や造り手目線ではなく、テナント目線で開発したことが強みと考えています」と語った。

 貸室内の内装は、テナントの要望に合わせて自由に変更できる。最上階のオフィス以外は天井ボードを張っておらず、開放感を感じやすいようにスケルトンにした。これらは室内デザインに拘る、アパレルやデザイン関係ならではの需要を見ている。本格的なリーシングはこれから。今後は、入居テナントの移転やオフィス開設に関連する応援プランも検討している。

 代表取締役の南薗浩一氏は「開発地の真向いにはかつて、明治時代に『たばこ王』として知られた起業家・岩谷松平氏の広大な屋敷がありました。彼がイメージキャラクターに天狗を使用していたことから、その名残が猿楽橋近くにある『天狗坂』として残っています。入居テナントにも、彼のように事業を大きく成長させてほしいと願っています。また、開発するビルのサイズも従前よりコンパクトであるため、弊社にとってもチャレンジと思っています。今後のコレタスの開発にも大きく影響を与える事例となるでしょう」と強調した。

タイトルとURLをコピーしました