ビル業界トピックス

既存ビルをリモデル(再構築)でリーシング強化 「多様性のある空間づくり」で付加価値を向上

 ビルの外観・エントランスや共用部のリモデル(再構築)提案を得意としているノットコーポレーション(大阪市中央区)は、ワキタ(大阪市西区)が所有する「五橋ビジネスセンタービル」(仙台市青葉区)のリモデル工事を行った。

 「五橋ビジネスセンタービル」はJR「仙台」駅からほど近い、多くのオフィスや店舗が集まる人気エリアにある、地上9階(延床面積5328・59㎡)の1993年に竣工されたオフィスビル。これまで複数区画を使用していた企業が新社屋建設により退去することになったため、新規テナント獲得に向けてリーシングの強化を図るべくリモデルを行うことになった。

 今回実施されたのは、各階共用部(廊下、トイレ、エントランス周り)のほか、空室となった複数区画の新規リニューアル。入居テナント企業の移設工事費用の軽減を実現するとともに、短期間での入居を可能にするべく、「専用ラウンジ付きセットアップオフィス」をリモデルプロジェクトの柱に、入居する企業に勤めるオフィスワーカーが自由に利用することのできる「リフレッシュルーム」や利用目的に合わせやすいレイアウト変更が可能な「貸し会議室」の3つの空間を新設し、ビルの付加価値向上を実現している。

 また、環境問題に配慮し、共用部は全フロアの廊下にリサイクル素材を使用した床材を用いるとともに、フェイクグリーンを効果的に活用したサステナブルな空間に仕上げている。

 「今回は改装予定期間にコロナ禍による働き方の多様化が進んだことを鑑み、オフィスワーカーが働くスペースを選択できて、かつオフィスに来ることに意味を感じられる場を提供したいというビル所有者様の想いから、『多様性のある空間づくり』をテーマにご提案しました。働く人がビルの中で気軽に気分転換ができて、ポジティブなアイデアをうみ出しやすい環境を整備することで、生産性の向上を図るとともに、これからのワークスタイルにフィットしたビルづくりは、ビルの収益力をあげるうえでも、今後さらに重要視すべきポイントだと考えています」とノットコーポレーション取締役の神谷奈緒美氏は語る。

 リモデル後は内覧会が開催され、参加者アンケートからも近隣にはないグレード感のビルだと高い評価を得るとともに、入居企業も確実に決定しているという。

 さらに神谷氏は「今回のプロジェクトでは、近隣のビルとの差別化を図るうえでは欠かせない『ビルの付加価値』をオーナー様と一緒に模索し、実現することができたと考えています。内覧頂いた企業様からも好評を得られているとのことで、大変うれしく思うと同時に、これからのオフィスビルの在り方をさらに創造して、今後のクライアント様へのご提案に活かしていきたいと思います」と語る。

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