ビル業界トピックス

再生建築「耐震Reビルド(R)」建材高騰で旧耐震ビル補強の選択肢に

 リーテック(大阪市中央区)は2019年より、再生建築のパッケージ「耐震Reビルド(R)」の施工を開始した。2016年、耐震診断等を営む企業から建設部門が独立して設立。全国のマンション・ビルを対象に、構造設計耐震診断・耐震補強工事等を展開している。

 再生建築は、既存建物の躯体の骨組みをそのまま生かして構造のバリューアップを図る工法。旧耐震ビルの耐震補強に用いられることが大半で、躯体の劣化状況に合わせて適切な補強・補修を行えるのがポイントとなる。

 既存建物解体やコンクリート躯体新設に伴い発生するCO2を抑えることができるため、環境配慮に適した工法ともいえる。「耐震Reビルド®」では、まず耐震診断を行うが、顧客からの要求があった際は躯体耐用年数評価も同時に行う。補強・補修計画の工程で、意匠の設備計画を外部と連携しながら工事を進行していく。

 施工の代表例が、「リーテックビル」だ。地上4階建て・RC造。築50年のビルを3年前に取得。本社屋として活用すべく、2020年に「耐震Reビルド®」によるバリューアップを図っている。

 東京営業所 所長の佐藤元昭氏は、「施工費用は建替えを想定した場合の60~70%程度と大幅なコストダウンにつながる。が、耐用年数が伸びるわけではないことに注意が必要です。『耐震Reビルド®』の引き合いはそれほど多くありませんが、SDGsの面からも価値ある工法だと認識しています。目標は、施工実績を増やしてデータ収集を行うこと。再生建築の優位性について、ビルオーナーやゼネコン、ファンドに向けて発信を続けていきたいと思います」(佐藤氏)

 建材・人件費の高騰により、建替えのハードルが高くなっている。コストダウン・環境配慮につながる再生建築の工法は、さらに浸透していくかもしれない。

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