ビル業界トピックス

「ヒューリック銀座一丁目ビル」竣工 7駅13路線が利用可能な中規模オフィス・店舗ビル

 ヒューリック(東京都中央区)が開発を進めていた「ヒューリック銀座一丁目ビル」が竣工した。
 今回の開発は、銀座地区地区計画の「一定の築年数が経過した建築物(事務所)に対する緩和」を活用して実施された。既存不適格建築物の建替えを促進するための制度で、容積地区指定より前に建築された建築物(事務所)を建替える場合、基準容積率が0・2倍を限度として緩和されるもの。
 立地は、東京メトロ有楽町線「銀座一丁目」駅から徒歩2分。7駅13路線が利用可能な場所に位置する。

 建物は、敷地面積494・12㎡、延床面積4389・12㎡、鉄骨造一部鉄骨鉄筋コンクリート及び鉄筋コンクリート造地上10階地下1階建ての中規模オフィス・店舗ビル。外観は、北面・西面を一体のデザインとし、グリッドフレームでファサードを分節した。

 オフィスフロアは、南側にコア機能(エレベーターやトイレなど)をコンパクトに集約し、執務スペースを北側・西側の2つの道路に面するように配置した。執務スペースは整形な無柱空間とし、間仕切りの設置に対応しやすいシステムグリッド天井を採用している。

 1階および地下1階の店舗は、外部から直接アプローチできる専用の出入り口や専用のサインスペースを用意するなど、集客に配慮した設えとしている。1階にはオーダースーツ専門店、2階には美容アンチエイジングクリニックが出店する。

 北側および西側のメインファサード面には、Low-e複層ガラスを採用。ファサード面の一部を腰壁にすることで、外皮性能の向上を図る。省エネルギー化を実現するとともに、日射による不快感の緩和やコールドドラフトの抑制など、快適性にも配慮した計画とした。また、高効率型空調機(冷暖フリータイプ)や人感センサー・LED照明、節水型便器及び自動水栓等の機器を採用した。

 耐震構造としては、制振機能(粘性ダンパー・制振間柱)を付加した。BCPサポートに関しては、災害時の対策として異系統2回線受電方式を採用し、本線と予備電源線の電力をそれぞれ異なる変電所から供給する。また、建物屋上に設置した非常用発電機により、一定の電力供給を72時間継続できる計画とした。

タイトルとURLをコピーしました